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デンタルフロスと歯間ブラシ。どう使い分けるの?

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

当院ではHPのブログの他、X(旧Twitter)やInstagramで歯科情報を発信しています。そんな中、先日Instagramでフロスの使い方についての動画を投稿したところ、次のようなご質問が届きました。

・フロスと歯間ブラシの効果はどちらも同じなのか?
・フロスと歯間ブラシは両方使用した方がよいのか?

確かに素朴な疑問です。どちらもお口の中の汚れをきれいにするアイテムですが、効果や使い分けは気になるところですよね。そこで今日はフロスと歯間ブラシそれぞれについて主な効果と使い分けについてお話したいと思います。ぜひ最後までご覧くださいね。

デンタルフロス・歯間ブラシとは?

▲歯ブラシだけでは汚れが落ちない場所

通常の歯ブラシは「歯の表面」や「歯と歯茎の際」の汚れを落とします。しかしそれだけでは不十分です。と言うのも、プラークが溜まりやすい「歯と歯の間」には歯ブラシの毛先が届きにくいからです。そこで、デンタルフロスや歯間ブラシが重宝します。これらは共に、歯間部のプラークをかき出してむし歯や歯周病の予防をするアイテムです。

デンタルフロス

デンタルフロスは細い繊維を束ねて糸状にしたものです。毎食後どんなに丁寧に歯磨きをしていても、通常の歯ブラシでは毛先が届きにくい場所があります。それが歯と歯の間です。歯垢が溜まりやすいのでむし歯になりやすい部位でもあります。デンタルフロスはそんな歯と歯の間の汚れを除去するのに適しています。なおデンタルフロスは大きく分けて2つのタイプがあります。ホルダータイプとロールタイプです。

ホルダータイプ(F字型・Y字型)
◆持ち手が付いているホルダータイプは、デンタルフロス初心者の方におすすめです。特にF字型は前歯に使いやすく、Y字型は前歯にも奥歯にも使いやすいのが特徴です。

ロールタイプ
◆ロールタイプは自分好みにフロスの長さを調整できるので、フロスに慣れている方におすすめです。指先に巻いて動かすため小回りが利きやすく、力の加減もしやすいのが特徴です。そのためデンタルフロスに慣れてくると使い勝手の良さを実感できます。またホルダータイプと比較してコストパフォーマンスが高いため経済的です。

さらにロールタイプにはワックスタイプ・ノンワックスタイプ・エクスバンドタイプの3種類があります。

①ワックスタイプ
線維の表面にワックス加工が施されているため、狭い歯間部にもスッと入れやすいのが特徴です。また加工されているため、ほつれにくいというメリットもあります。さらには、繊維にフッ素を配合しているものやミントの香りがついているものなどもあるため、自分好みのものを選ぶ楽しみがあります。ただし、フロスの滑りがよい分、プラークの除去効果はノンワックスタイプに劣ります。よって、デンタルフロスに慣れてきたら次に紹介するノンワックスタイプに変えることをおすすめします。

    ⇒おすすめの人:デンタルフロス初心者の人

    ②ノンワックスタイプ
    繊維がワックスで固められていないので、歯間部に入れた時に線維がほつれます。そのためプラークを絡めとりやすく歯垢除去率が高いのが特徴です。

      ⇒おすすめの人:デンタルフロスに慣れている人・歯垢をしっかり取りたい人

      ③エクスバンドタイプ
      最もプラークを落とせるのがエクスバンドタイプです。これは唾液や水分を吸収するとスポンジ状に広がるのが特徴的なデンタルフロスです。またフワフワして柔らかい感触のため、歯茎に触れても痛みを感じにくいです。ただ歯間が狭い人が使用すると「フロスが抜けなくなる」といったこともあるので歯間が狭い人には適していません。

      ⇒おすすめの人:歯間が広い人・歯垢をガッツリ取りたい人

      歯間ブラシ

      歯間ブラシとは通常の歯ブラシの超小型版のようなものです。持ち手の先端にある針金にナイロンの毛がついています。デンタルフロスと同様に歯と歯の間の汚れを除去するのに適していますが、特に歯間部が広い人に効果的です。I字型は前歯の使用に適しており、 またL字型は前歯だけではなく奥歯の清掃もしやすいのが特徴です。

      どうやって使い分ける?

      ここまででの話からデンタルフロスも歯間ブラシも歯と歯の間の清掃に効果的だということをわかっていただけたかと思います。しかしここで気になるのが、「結局どちらを使うべきなのか?」、もしくは「どう使い分けるのか?」ということですよね。そこでアイテムごとにどんな人に向いているかを以下で詳しくお話します。写真でもご案内しますのであなたのお口の中と照らし合わせてどちらが良いのか考えてみましょう。

      デンタルフロス向き

      歯間が狭い人
      歯と歯の間に隙間がない人はデンタルフロスがおすすめです。特にコンタクトポイントと呼ばれる歯と歯が接触している部分にはデンタルフロスが効果的です。フロス(糸)を水平に動かしながら歯間に挿入することで歯と歯がくっついている部分の汚れもこそげ落とすができます。

      歯肉溝・歯周ポケットの汚れ
      歯肉溝(しにくこう)とは歯と歯茎の間にある溝のことです。健康な歯茎では深さ1~2mm程度ですが、歯肉溝に汚れが蓄積し歯周病が進行するとこの溝が深くなります。いわゆる歯周ポケットです。この溝の中の汚れを除去するにはフロスが最適です。写真のように溝の中にフロスを入れた後、歯周ポケット内の汚れをかき出すようにフロスを上下に動かしましょう。

      余談ですが歯垢を溜め込んだ人がフロスをやった後にそのフロスを嗅ぐとものすごい悪臭がします。それだけ歯垢(細菌)が溜まっていたということです。独特なニオイでものすごくイヤなニオイです(笑)デンタルフロスは口臭対策にもなるので就寝前の1回でもやることをおすすめします。

      歯間ブラシ向き

      歯間が広い人
      歯と歯の間が広い場合、デンタルフロスを通してもスカスカで清掃効率が悪いですよね。そんな方には歯間ブラシがおすすめです。歯の隣接面の汚れを落とすように前後・上下に動かして使いましょう。

      ブラックトライアングルがある人
      歯間部と歯茎に囲まれた部分が黒い三角形状に見える箇所をブラックトライアングルと言います。これは加齢や歯周病により歯茎が下がったことが原因で起こります。特にブラックトライアングルを発症しやすいのが前歯です。前歯は歯根の先端にいくほど細くなる、いわゆる三角形のような形をしています。そのため歯茎が下がり歯根が露出すると隣同士の歯の間に隙間が生じ、ブラックトライアングルができやすいのです。歯垢が付きやすい場所でもありますので歯間ブラシでしっかりと清掃してあげましょう。

      ブリッジがある人
      ブリッジは失った歯を補うための方法の1つです。欠損した部位の両隣の歯を支えにダミーの歯を繋げて橋渡しをする補綴利用です。イラストを見るとわかるのですがブリッジはその構造上、ダミーの歯と歯茎の間に隙間があります。この隙間に歯間ブラシを通し、汚れをかき出してあげましょう。またその隙間の両脇には天然歯(自分の歯)もあります。こちらについても歯間ブラシの毛先を動かししっかりと清掃するようにしてください。もしブリッジの支えにしている天然歯がむし歯や歯周病でダメになってしまったら…?ダミーの歯を支えるものがなくなりブリッジが機能しなくなってしまいますよね。

      矯正装置が付いている人
      ワイヤー矯正のような固定式の矯正装置の周りには汚れがとても溜まりやすいです。歯間ブラシを上手に使って装置の周りの汚れをかき出してあげましょう。綺麗な歯並びを手に入れてもむし歯で歯がボロボロになってしまったらとても悲しいですよね。ぜひセルフケアの1つに取り入れましょう。

      ※なお矯正治療中の歯間部専用のデンタルフロスがあります。Instagramの投稿で詳しくお話していますので以下をクリックしてご覧ください。

      歯の欠損がある人
      むし歯や歯周病などが原因で一部の歯がない人がいます(※)。また入れ歯を愛用している人は入れ歯を外した時に一部の歯が欠損している状態です。歯1本分であれば通常の歯ブラシで磨けそうにも思いますが、案外ヘッドの部分がひっかかり動かしにくいです。そこで歯間ブラシです。歯の側面を擦るようにしっかりと磨いてあげましょう。

      ※参考※
      歯の欠損が原因で上下の咬み合う歯や隣の歯が移動することがあります。これについては過去のブログでお話していますので下記をクリックしてご覧ください。

      さて、ここまで読んでくださった方は気がついたかもしれませんね。実はよっぽど歯並びが整っていて、かつ健康な歯茎を維持しているような人を除いて、お口の中の歯間は多種多様です。すなわち歯列の場所によって歯間が狭かったり広かったりします。例えば次のような方はいませんか?

      「前歯は歯間が狭いけれど、奥歯は歯茎が下がっていて歯間が広い」

      このような場合にはデンタルフロスと歯間ブラシを併用するのが最も清掃効果が高いと言えます。すなわち歯間が狭い前歯にはデンタルフロス、歯間が広い奥歯には歯間ブラシといった具合です。

      とは言え、「よくわからない」と言った人も多いと思います。そんな時にこそかかりつけ歯科医院です!お口の中を熟知している歯科医師・歯科衛生士はあなたにぴったりのケアグッズを提案してくれます!ぜひ相談してみましょう