新着情報

飲み物とむし歯の関係~熱中症対策に何を飲む?

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。
5月も終わりに差し掛かり随分暑くなりましたね。まだ5月だと言うのに気温が30℃を超えた地域もありました。さてこうなると大切なのが熱中症対策です。みなさんはどんな対策をしていますか。

・塩分摂取
・こまめな水分補給
・エアコンの利用
・帽子や日傘の使用
・日中の外出を避ける
・通気性の良い衣服の着用
・屋外活動の際は適度な休憩と日陰の利用

少し考えただけでもたくさん出てきます。 ところでこれらの中で、歯科の観点から注目したいのが「水分補給」です。学校や職場ではマイボトルを持参する人も多い方と思いますが、その中身は何ですか? 「甘い物が欲しくなるから~」という理由で砂糖たっぷりのジュースやコーヒーを飲んではいないでしょうか。心あたりがある方、歯の寿命を考えるとちょっと危険ですよ。

歯科医師がすすめる飲み物3選

熱中症対策を目的にした場合、水分と塩分のバランスが大切ですよね。そのため真夏の屋外活動、たとえばスポーツをする際などにはスポーツドリンクで水分補給する方も多いかと思います。しかしながらスポーツドリンクには糖分も多く含まれていることをご存じでしょうか?もちろん「エネルギー補給」と「水分吸収の促進」の為には必要なものですが、糖分は歯の天敵です。よって学校や職場での作業中にチビチビ飲むような場面において、糖分入りの飲料はあまり推奨できません。なぜならむし歯リスクが高くなるからです。そこで歯の健康の観点からおすすめの飲み物をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

第1位:水

糖分ゼロかつ色素を含まない“水”はチビチビ飲みには最高の飲み物です。なぜなら糖分がないからむし歯の原因にならず、しかも色素がないから歯の着色の原因にもならないからです。更に水を飲むことは唾液の分泌を促します。唾液には口の中の細菌の増殖を防ぐ抗菌作用や酸性に傾いた口の中を中性に戻す緩衝作用などあるので、良いことだらけです。

第2位:無糖のお茶

“茶(もしくはティー)”のつく飲み物と言えば、たくさんありますよね。烏龍茶、ほうじ茶、紅茶、緑茶、ハーブティー、ルイボスティーなどバラエティーに富んでいます。そしてその中でもおすすめなのが緑茶です。実は緑茶にはポリフェノールの一種であるカテキンが含まれており、これには強い抗菌作用や殺菌作用があります。そのためむし歯の原因になるミュータンス菌の働きを抑制し増殖を防ぐことができるのです。またカテキンには消臭効果もあるため口臭予防には最適です。しかも緑茶にはフッ素が含まれています。フッ素は歯質を強くし、再石灰化の手助けをしてくれる優れものです。水分補給をしながら口臭予防やむし歯予防もしてくれる緑茶はとてもおすすめです。

ただし1つだけ懸念点があります。それは着色です。緑茶や紅茶、烏龍茶などにはタンニンが含まれておりこれは歯の着色汚れ(ステイン)の原因になることがあります。そのため着色を予防したい方にはタンニンを含まない麦茶がおすすめです。

第3位:牛乳

カルシウムが豊富で骨や歯の健康にぴったりな牛乳。子供から大人まで愛飲している方も多いのではないでしょうか?そして実は牛乳にはむし歯を予防する効果があります。特に牛乳に含まれるカゼインはエナメル質が溶ける(脱灰)を抑制し、再石灰化を促進する効果があります。また牛乳には酸を中和する働きがあります。例えば食後は口の中が酸性に傾き、特にpHが5.5以下になると歯のエナメル質が溶け始めます。これは脱灰(だっかい)と言われ、むし歯の始まりです。しかし牛乳には酸を中和する(中性に戻す)働きがあります。ゆえにむし歯予防に効果的です。 ただし1つだけ注意点があります。それは、牛乳は「むし歯になりにくい」だけで「むし歯にならないわけではない」ということです。むしろ牛乳を飲んだ後に歯磨きをしないで寝ようものなら危険です。なぜか?実は牛乳には乳糖が含まれており、これは口の中で細菌のエサになります。むし歯の主な原因となる砂糖(ショ糖)程ではありませんが、乳糖も少なからずむし歯の原因になります。ゆえに歯磨きができない時のチビチビ飲みにはあまり適さないと言えます。よって、牛乳は食事中などその後に歯磨きをするのが前提のタイミングで飲むのが良いでしょう。ただし牛乳アレルギーのある方は飲んではいけません。

◆補足◆
 屋外でのスポーツ活動の時には効率的な水分補給と疲労回復のために糖分入りの飲料が効果的な場合もあるかと思います。その時の場面やご自身の体調に応じて適切な飲み物で水分補給をするようにしましょう。また糖分入りの飲み物を飲んだ直後に、うがいをしたり水を飲んだりすることで、歯の表面の糖分を洗い流すことができます。歯磨き程完璧ではありませんが、むし歯予防になるためぜひお試しくださいね。

甘い飲み物を飲む時の工夫

ここまでお話した通り、仕事中や外出中など歯磨きができない時の水分補給には水やお茶がおすすめです。しかし、どうしても甘いものが欲しい時もありますよね?そんな時には次のような飲み方を取り入れてみてください。

ストローを使う

ストローを使って飲み物を喉の奥に届けるように飲みます。こうすることで糖分を含んだ飲み物が歯に直接触れないようにします。「むし歯リスクがゼロ」というわけではありませんが、普通にゴクゴク飲むよりもリスクを軽減できます。またストローを使うこの方法は着色汚れを予防するためにも効果的です。

時間を決めて飲む

むし歯リスクを高める原因の1つが「ちびちび飲み」や「ちびちび食べ」です。例えば子供の頃にこんな風に言われたことはありませんか?

『おやつばかり食べているとむし歯になるよ!!』
実はこれその通りで、間食の回数が多いとむし歯リスクが高まります。歯は食事の度に、溶けたり(脱灰)修復されたり(再石灰)を繰り返しているのですが、これは唾液の中和作用によるものです。まるでシーソーのようですが、歯はそのバランスを保てている限りむし歯になりません。ただし、四六時中食べたり飲んだりしている口の中は常に酸性に傾いています。よってもし甘い物を飲むならまとめて1回で飲むようにしましょう。

飲んだら歯磨き

シンプルな対策ですが、これが一番です。甘い物を飲んだ後には歯磨きをしましょう。ただどうしても歯磨きができない場合には、うがいだけでもむし歯予防になります。

さて今回のブログでは歯に優しい水分補給の仕方についてお話しました。ちなみに余談ですが、当院の院長の診療合間の水分補給は“水“です。他のスタッフたちも“水”や“お茶”で糖分を含む飲料を飲む者はおりませんでした。理由を聞くと「むし歯予防のため」とか「甘いの飲んでそのままだと口が気持ち悪い」など、やはり歯科スタッフだなと思う回答でした。とは言え、私たちビバ歯科のスタッフが甘い物を食べたり飲んだりしないかと言うとそうではありません。お昼ご飯の時に、甘いカフェオレやジュース、そしてチョコレートやクッキーなどまとめて口にしています(笑)要は食べるタイミング、食べ方が大切だということです。

これから夏に向けて熱中症宅として水分補給は必須です。体のためにも歯のためにも上手な水分補給をしていきましょうね!