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歯茎から出血、その原因は?~全身疾患の可能性も 

こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。

みなさんは食事中や歯磨きの際に歯茎から出血したことはありますか?実はこれ特に珍しいわけではなく、おそらく多くの方が体験したことがあると思います。ただし、「頻繁に出血する」、「なかなか血が止まらない」という方は要注意です。なぜなら歯茎からの出血というのは体からのSOSのサインだからです。そこで今日は見過ごしがちな歯茎からの出血の原因とその対処法についてお話したいと思います。ぜひ最後までご覧ください。

 

歯茎の出血の原因

出血の原因は大きく6つに分けられます。

炎症

【歯周病】
歯茎から出血する原因のほとんどが歯茎の炎症、いわゆる歯周病です。お口の中の清掃が不十分でプラーク(細菌のかたまり)や歯石が溜まると、歯周病菌の出す毒素によって歯茎が炎症を起こし出血します。また、ホルモンバランスが関係する歯周病として、「思春期性歯肉炎」や「妊娠性歯肉炎」があります。これらは歯周病菌の1つ“プレボテラ・インターメディア”が原因で発症します。この菌は女性ホルモンを栄養源として働きが活発になるため、思春期や月経期そして妊娠期には特に注意が必要です。

 

【被せ物の不適合】
むし歯の治療で大きく歯を削った場合、その部分を補うために被せ物をします。しかし、歯と被せ物の間に段差があるなどフィットしていないと、そこに細菌が繁殖し歯茎の炎症の原因になります。また被せ物が歯茎を圧迫することで炎症を引き起こすこともあります。被せ物が原因の場合、特定の部位のみで出血するのが特徴です。

 

【歯の萌出時】
萌出(ほうしゅつ)とは歯が生えてくるという意味です。歯が生える際には、歯がその周囲の歯茎を押しのけるように生えてきます。しかも歯は一朝一夕で生えるのではなく少しずつ時間をかけて生えてきます。すると歯茎の形が整っていなかったり、歯が中途半端に生えていたりするため、その周辺に食べかすやプラークが溜まりやすくなります。その結果、歯茎が炎症を起こし出血の原因になります。乳歯が生えそろう3歳くらいまで、第1大臼歯が生える6歳前後、そして第2大臼歯が生える12歳前後に起こりやすい症状です。

外傷

【過度なブラッシング】
歯を磨くときに力を入れ過ぎると歯茎が傷ついて出血することがあります。さらに歯茎が傷つくと傷口から細菌が侵入し炎症の原因になったり、歯肉退縮(歯茎が下がる)の原因になったりします。また歯ブラシを替えた時にも注意が必要です。なぜなら歯ブラシの毛の材質や硬さが変わると歯茎にかかる力も変わるからです。例えば毛の硬さを「ふつう」から「かため」に替えた時には以前と同じ力で歯を磨くと歯や歯茎を傷つけてしまうことがあります。意外に思われるかもしれませんが、歯ブラシ交換が原因の歯茎の出血は案外多いです。

【火傷】
重い火傷(やけど)の場合出血を伴うことがあります。歯茎を始めとしたお口の中の火傷でも、手足の皮膚の火傷と同様にまずは冷やすことが大切です。氷水で数分間お口をすすいだり、氷を口に含んだりするなど早急に冷やすようにしましょう。なお、お口の中の場合唾液の殺菌作用により炎症が抑えられ多くの場合が数日から2週間程度で治ります。ただし、見るからに酷い火傷や腫れ、膿が出るなどの場合には速やかに歯科を受診しましょう。

 

 

粘膜疾患

【口内炎】
口内炎とはお口の中やその周辺の粘膜に起こる炎症の総称です。頬の内側や唇、舌などにできることが多いですが、歯茎にできることもあります。口内炎の原因は様々ですがお口の粘膜は繊細でストレスや疲労、食事などの影響を受けやすいです。そのため日頃から十分な睡眠にバランスのよい食事を心掛けるなど予防をしましょう。なおほとんどの場合1~2週間程度で自然に治りますが、それ以上長引くときには口腔がんの可能性もあります。早急に歯科を受診しましょう。

【口腔がん】
お口の中全体のことを「口腔(こうくう)」と言い、ここにできるがんを総称して「口腔がん」と呼びます。そして発症部位によって名称が分かれますが、最も多いのが「舌がん」で、次に多いのが「歯肉がん」です。歯肉がんの症状としては歯茎の腫れや出血があります。この腫れや出血というのは歯周病の症状と似ているため、がんとの診断が遅れることもあります。もし「歯茎に腫瘍やしこりがある」、「出血が続く」、「歯茎の一部が赤色や白色に変色している」などの症状もあればそれは口腔がんの可能性もあります。放置せずに歯科を受診しましょう。

 

【フィステル】
フィステルとは歯ぐきにできるニキビのようなものです。重度のむし歯などで神経が死に治療をせずに放っておくと慢性的な炎症になり、やがて根っこの尖端に膿が溜まります。その膿を排出するための出口としてできたものがフィステルの正体です。排膿の際に粘膜の上皮が破れるためその際に出血を伴います。

 

全身疾患

お口の中が健康でも全身疾患の影響で歯茎から出血することがあります。以下の疾患が代表例です。

  • 白血病
  • 血友病
  • 肝硬変
  • 糖尿病
  • ビタミン欠乏症
  • ネフローゼ症候群 等

もちろんこれだけで断定はできませんが、「頻繁に起こる出血」「歯茎の広範囲の出血」などの場合には注意が必要です。ただし、全身疾患が原因の場合、鼻からの出血、高熱、倦怠感など他の症状も同時にみられることが一般的です。自己判断では難しいため医療機関を受診することをおすすめします。

 

 

薬の副作用

お薬の副作用が原因で歯茎から出血することもあります。例えば抗凝固剤のようないわゆる「血液をサラサラにする薬」です。そして出血に加えて、一度出血すると血が止まりにくくなることもあります。歯科では抜歯やインプラント手術のように出血を伴う処置があるので、最大限の対策が必要です。そのため服用薬がある方は必ず歯科医師へ申告すると共に、おくすり手帳を持参するようにしましょう。

生活習慣

疲労やストレスの蓄積、そして睡眠不足は免疫力の低下や唾液の分泌量の低下に繋がります。これらは歯茎の防御力が下がると共に、唾液の抗菌作用が弱まるため歯茎の炎症・出血の原因になります。

さて今日は歯茎からの出血の原因についてお話しました。「これくらい大丈夫」と思いがちですが、出血するということは何かしら“問題”があるということです。もちろんその原因が睡眠不足なら睡眠時間を確保すれば改善します。またもし原因がブラッシング圧によるものなら歯磨きの仕方を変えれば改善します。しかし、原因が全身疾患の場合そうもいきません。適切な治療を受ける必要があります。歯茎の出血は何か大きな病気の兆候かもしれないのです。よって、もしあなたが歯茎から出血を繰り返すようであれば一度歯医者さんに相談してみることをオススメします。