ブログ・むし歯(一般歯科)
小さなむし歯の救世主★コンポジットレジン
こんにちは。千葉県船橋市JR東船橋駅南口にあるビバ歯科・矯正小児歯科です。近年よく耳にする「推し活」と言う言葉。これは自分の好きなアイドルやキャラクターを応援する活動のことを指すようです。私の友人にも推し活に夢中な子がいて、レジンでオリジナルのキーホルダーを大量に作っては持ち歩いています。ところで、このレジンですが、実は歯科治療でも大活躍していることをご存じでしょうか?「レジンがないと治療ができない!!」と言える程、メジャーな歯科材料の1つです。もしかしたらあなたの口の中にもレジンが存在するかもしれませんね。

目次
コンポジットレジンとは
コンポジットレジン(以下、レジン)はセラミック粒子と合成樹脂を混ぜ合わせた白いプラスチック素材のことで、主に歯の修復に使用します。施術内容はいたってシンプルで、歯を削った部分にレジンを直接詰めて光をあてて硬化させます。特に小さなむし歯を削った際などにはよく使われる歯科材料です。


ちなみにむし歯で歯を削った箇所の修復としては被せ物(俗に言う差し歯)がありますよね。この2つの違いは何だと思いますか?レジンと被せ物の大きな違いは治療時間です。レジンは型取りの必要がないため即日で治療が完了します。それに対して、被せ物の場合には該当部位の型取りはもちろんその対合歯(咬み合う上下の歯のこと)の型取りも必要です。また歯型を元に被せ物を製作する期間も必要です。そのため、「型取り」「被せ物のセット」と最低2回の通院が必要です*。
*根管治療などがある場合には、型取りの前にも通院が必要になります。

レジンはどんな時に適用化?
むし歯治療
小さなむし歯の際に適用されます。歯を削った部分にレジンを流し込んで光で硬化して修復します。

欠けた歯
外傷などにより歯の一部が欠けた場合、その部分をレジンで補います。
くさび状欠損
歯と歯茎の境目がくさびのように削れていると、冷たいものが沁みるなど知覚過敏の原因になります。そのため、くさびの部分をレジンで埋めて外的刺激が直接伝わるのを防ぎます。なおくさび状欠損の主な原因は睡眠中の歯ぎしりです。詳しくは以下のブログでお話しているので参考にしてください。

レジンのメリット
白色で審美性が高い
歯に近い色味のため、審美面で優れています。

治療は即日完了
先述の通り、レジンは型取りの必要がなくかつ光で硬化するため、1回の治療で完結します。
歯を削る量が抑えられる
詰め物や被せ物を装着する際には土台となる天然歯(自分の歯)を削り、形を整える処置が必要です。よってむし歯以外の部分も歯を削る場合があります。それに対しレジンは流動性のある素材です。そのため歯を削った部位に充填すれば歯の形に添ってレジンが流れ込みます。ゆえにレジンは歯を削る量が最小限で済むため歯の負担も抑えられます。

治療後すぐに飲食が可能
光で硬化するレジンは治療後でもすぐの飲食が可能です。ただし、麻酔を使用した場合は例外です。感覚の鈍さから、頬やくちびるなどを噛んだり火傷をしたりする恐れがあります。よって麻酔を使用した場合には、その効果が完全に切れるまでは飲食を控えましょう。
ちなみに詰め物や被せ物といった補綴物は歯科用のセメントで装着します。そのためセメントが完全に固まるまでは飲食ができません。セメントの種類にもよりますが、30分程は食事を控えます。
保険適用で安価
レジンの目的にもよりますが、むし歯や欠けた歯の修復、くさび状欠損などはすべて健康保険が適用されます。
金属アレルギーの心配がない
レジンはプラスチックのため金属アレルギーのリスクがありません。
レジンのデメリット
耐久性に欠ける
レジンは歯科用プラスチックです。そのため銀歯やセラミックに比べると強度が劣ります。レジンの使用部位や歯ぎしりの有無などによりその寿命は様々ですが、一般的にレジンの寿命は2~3年程度です。
光沢感がない
天然の歯には特有の光沢感やツヤがあります。しかしレジンにはそれがなく、のっぺりとした白さです。
変色する
レジンは吸水性があるため、紅茶やカレーなど色の濃い食べ物を食べた時にその色素が浸透してレジンに色が付いてしまいます。また紫外線があたることにより変色することもあります。また喫煙者の場合にはタール(いわゆるヤニ)が付着し、レジンの変色の原因になります。特に前歯の場合、天然歯とレジンの境目が目立ってくるため、レジンのやり直しをすることも必要です。

汚れが付着しやすい
レジンの表面は完璧なツルツルではありません。微細な凹凸があります。しかも経年劣化に伴い、レジンの成分であるセラミック粒子が取れていくため、表面の凹凸はより顕著になります。するとレジンの表面には歯垢が付着しやすくなります。すなわちレジンの表面が“菌の温床”になってしまいます。
さて今回は歯科治療に欠かせないコンポジットレジンについてお話しました。歯を削る量が最小限に抑えられるため、歯の寿命のためにはとても素晴らしい材料です。しかしプラスチック素材ということもあり経年劣化や破損は免れません。銀歯のように目立たないためレジンで治療したことさえも忘れがちですが、歯科医師・歯科衛生士が見ればレジンの状態がよくわかります。劣化したレジンは見栄えもさることながら、歯垢が溜まりやすくむし歯や歯周病の原因になります。よって定期的に歯科医院に行きメインテナンスをすることがとても大切です。なおビバ歯科・矯正小児歯科では3~6ヶ月に1度の定期検診を推奨しています。ご希望の方はこちらよりご予約くださいね 。